保険の選び方で押さえたいのは、必要な保障を整理すること、無理なく払える保険料にすること、保障の条件と期間を確かめることの3つです。
「30代になったから」「周りが入っているから」という理由だけでは、自分に合う保険は決まりません。家族構成や働き方、貯蓄、公的保障によって、備えておきたい金額は変わります。
こんにちは、ライフデザインラボのなつみです。
この記事では、保険への加入や見直しを考えている20代・30代に向けて、商品を比較する前に整理したいことをまとめました。
主に、病気やケガ、働けない期間、万一のときの家族の生活に備える保険を扱います。まずは今の暮らしに当てはめながら、一つずつ確認してみてください。
保険を選ぶ前に「何が起きると家計が困るか」を考える
保険を調べ始めると、保障の種類や特約の多さに迷うことがあります。
そんなときは、最初に「何が起きたとき、いくら足りなくなりそうか」を考えると整理しやすくなります。
| 心配していること | 最初に確認したいこと |
|---|---|
| 病気やケガで医療費がかかる | 公的医療保険、高額療養費、貯蓄で払える範囲 |
| 休業して収入が減る | 傷病手当金などの対象か、勤務先の休業制度、毎月の生活費 |
| 自分が亡くなった後の家族の生活 | 遺族年金の対象か、家族の収入、教育費や住居費 |
| 将来のお金が足りるか不安 | 必要な時期と金額、家計の余裕、資金を引き出せる条件 |
医療費の支払いと、休業中の家賃・食費などは分けて考えましょう。心配の中身が分かれば、確認する保障も絞りやすくなります。
ポイント① 公的保障と貯蓄を確認し、必要な保障を整理する
民間保険を検討する前に、利用できる公的制度や勤務先の制度を確認しましょう。
そのうえで、手元の貯蓄では対応しにくい負担について、保険で備えるかを考えます。
医療費は高額療養費制度の対象と対象外を確認する
高額療養費制度は、保険診療にかかる自己負担について、定められた上限を超えた分の支給を受けられる制度です。上限や計算方法は、年齢・所得・診療時期などによって異なります。
一方、差額ベッド代や入院時の食事代など、対象にならない費用もあります。「制度があるから費用はすべて心配ない」と考えず、対象外の支出も確認しておきましょう。
制度の詳細は、厚生労働省の高額療養費制度の案内と、加入している健康保険の窓口で確認できます。
休業中の収入は、加入制度や働き方によって変わる
協会けんぽの傷病手当金は、業務外の病気やケガで働けず、十分な給与を受けられない場合に、一定の要件を満たすと支給されます。
連続する3日間の待期後、4日目以降の対象日について支給され、支給期間は開始日から通算1年6か月です。
ただし、誰でも同じ給付を受けられるわけではありません。自営業・フリーランスの方も、会社員と同じ給付があると考えず、ご自身の加入先で対象制度を確認してください。
家族の生活費は、遺族年金や家族の収入も含めて考える
自分の収入で生活している家族がいる場合は、万一の後に必要になる生活費や教育費を整理します。
その際は、遺族年金の受給見込みや家族の収入、貯蓄も確認しましょう。遺族年金には受給要件があり、家族構成や加入していた年金制度などによって扱いが変わります。
「結婚しているから受け取れるはず」と決めつけず、日本年金機構の遺族年金に関する案内や年金事務所で確認することが大切です。
貯蓄は、ほかの使い道も踏まえて考える
預金残高のすべてを、病気や休業への備えに使えるとは限りません。
近いうちに支払う税金、引っ越し費用、教育費などを除き、緊急時に使える金額を整理しましょう。
例えば、次のように書き出します。
- 心配していること:病気で数か月働けなくなること
- 続けて払う支出:家賃、食費、光熱費、返済など
- 確認する制度:加入先の給付、勤務先の休業制度
- 緊急時に使える貯蓄:近い将来の支出を除いた金額
- まだ分からないこと:給付額、受け取れる時期、対象期間
これは整理のための記入例です。この段階で必要な保険金額を決め切る必要はありません。分からない項目を明らかにするだけでも、次の確認がしやすくなります。
ポイント② 今だけでなく、将来も払える保険料にする
保険料は、毎月の生活費や貯蓄と両立できる範囲で考えましょう。
「手取りの何%なら正解」と一律に決めるより、収入が減ったときや支出が増えたときにも続けられるかを確認することが大切です。
月額・更新後の金額・払込期間を確認する
見積もりでは、次の項目を並べてみてください。
| 確認項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 現在の保険料 | 月払い・年払いでいくら負担するか |
| 更新後の保険料 | 更新時に変わるか、どのように変わるか |
| 保険料払込期間 | いつまで支払う契約か |
| 保障期間 | いつまで保障が続くか |
| 特約の保険料 | 追加した保障にいくらかかっているか |
| 家計への影響 | 貯蓄や必要な生活費を確保できるか |
保険料を払い終える時期と、保障が終わる時期は分けて確認しましょう。
また、比較する際は、保障額や保障期間などの条件をそろえます。月額だけでは、内容の違いを判断しきれません。
保険料が負担なら、今の契約の調整も確認する
保険料を抑えたい場合は、新しい商品への乗り換え以外にも、保障額の減額や特約の解約などを検討できることがあります。
利用できる方法や、同時に変わる保障は契約によって異なります。まず契約中の保険会社に、変更できる範囲と変更後の内容を確認しましょう。
ポイント③ 給付条件・対象外・保障期間を比べる
「医療保険」「がん保険」など、同じ種類に見える商品でも、保障内容や給付条件は異なります。
保険金や給付金の金額とあわせて、どのような場合に受け取れるのかを確認しましょう。
商品比較で確認したいチェック表
| 確認すること | 質問の例 |
|---|---|
| 支払いの条件 | 診断・入院・手術など、何が条件になるか |
| 対象外になる場合 | 保障されない病気・治療・状態はあるか |
| 支払いの限度 | 日数・回数・通算額に上限があるか |
| 待機期間や免責期間 | 保障開始や支払いまでに対象外の期間があるか |
| 保障期間 | 必要な時期まで保障が続くか |
| 更新の条件 | 何歳まで更新でき、保険料はどう変わるか |
| 告知 | 健康状態など、何を正確に回答する必要があるか |
説明を受けたときは、「その条件は資料のどこに書かれていますか」と聞いてみましょう。
金融庁も、口頭での説明だけでなく、約款や商品説明資料の確認を勧めています。告知書についても、質問された内容に正確に回答する必要があります。
出典:金融庁「保険商品等に関する利用者からの相談事例等とアドバイス等」
家族構成や働き方が変わったら、保障の目的を確認する
結婚・出産・住宅購入・転職・独立などは、必要な保障を確認するきっかけになります。
例えば、家族が増えた場合は生活費や教育費、働き方が変わった場合は利用できる給付や勤務先の制度を確認します。
見直した結果、今の契約を続ける判断になっても問題ありません。「現在の目的に合っているか」を確かめることが見直しの出発点です。
保険を乗り換えるときは、今の契約を先に解約しない
新しい保険が気になっても、現在の保険をすぐに解約するのは避けましょう。
年齢や健康状態によって、新しい契約の保険料が高くなったり、加入できなかったりする場合があります。また、解約した契約を元に戻すことはできません。
乗り換えを検討するときは、少なくとも次を確認してください。
- 新しい契約が成立しているか
- 必要な保障がいつから始まるか
- 待機期間や保障の対象外となる条件はないか
- 現在の契約を解約すると、どの保障がなくなるか
- 解約返戻金はいくらか
新旧の契約内容と保障開始日を確認し、保障が途切れないよう、解約時期を保険会社に相談しましょう。
保険の見直しは、手元の資料を整理するところから
加入中の方は、保険証券や契約内容のお知らせを見ながら、次の表を埋めてみてください。未加入の方は「備える目的」から整理すれば大丈夫です。
| 項目 | 書き出す内容 |
|---|---|
| 備える目的 | 医療費、休業中の生活費、家族の生活費など |
| 現在の保障 | 保険金額、入院給付金、特約など |
| 保険料 | 月額・年額、更新後の金額 |
| 期間 | 保障期間と保険料払込期間 |
| 公的保障・勤務先の制度 | 対象制度と、まだ確認できていない点 |
| 緊急時に使える貯蓄 | 近い将来の支出を除いた金額 |
| 質問したいこと | 給付条件、対象外、変更方法など |
分からない欄があっても、そのまま質問事項として使えます。
一人で整理しにくいときは、相談先を使い分ける
制度や契約内容について確認したいときは、内容に合った窓口を選びましょう。
| 確認したい内容 | 主な確認先 |
|---|---|
| 公的医療保険の給付 | 加入している健康保険の窓口 |
| 勤務先の休業制度 | 人事・総務など |
| 遺族年金の受給要件 | 年金事務所など |
| 加入中の保険の給付・変更 | 契約中の保険会社 |
| 複数商品の比較や保障の整理 | 保険代理店、相談サービスなど |
相談サービスを使う場合は、相談料、取扱保険会社、比較できる商品の範囲を確認してください。
提案を受けたら、「なぜこの保障が必要なのか」「今の契約を残す方法はあるか」「ほかの選択肢との違いは何か」を聞き、資料を持ち帰って検討しましょう。
保険の選び方に関するよくある質問
20代・30代なら、保険に入ったほうがいいですか?
年齢だけでは判断できません。家族への経済的な責任、働き方、公的保障、貯蓄を確認し、大きな負担が生じたときに対応できるかを考えましょう。
保険料はいくらが適切ですか?
一律の正解はありません。必要な保障を整理したうえで、生活費や貯蓄と両立でき、更新後も続けられる金額かを確認してください。
保険料が安い商品を選べばよいですか?
保険料とあわせて、保障額、給付条件、保障期間、対象外の条件を比べましょう。自分が心配している場面で支払いの対象になるかが大切です。
保険の見直しでは、必ず乗り換えが必要ですか?
必要とは限りません。今の契約を続ける方法や、保障額・特約を調整する方法も含めて確認しましょう。
まとめ|まずは必要な保障を説明できる状態にしよう
保険の選び方で確認したいのは、次の3つです。
- 公的保障と貯蓄を踏まえ、必要な保障を整理する
- 将来も無理なく支払える保険料にする
- 給付条件・対象外・保障期間を比較する
まずは保険証券や家計の資料を手元に置き、「何に備えているか」「毎月いくら払っているか」「いつまで保障されるか」を確認してみてください。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。制度の適用条件や保険商品の内容は、加入先・契約・確認時点によって異なります。個別の条件は各窓口や契約書類で確認してください。
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